「個室」の変容を求めて――ウォン・カーウァイ全作品論
香港旅行の予習としてウォン・カーウァイの映画を見返し、それが自分を香港に誘った大きな要因だったにもかかわらず、ほとんど役に立たないことに気づいて唖然としたことがある。いくら画面を見つめても、どういうわけか香港の街並みに…
香港旅行の予習としてウォン・カーウァイの映画を見返し、それが自分を香港に誘った大きな要因だったにもかかわらず、ほとんど役に立たないことに気づいて唖然としたことがある。いくら画面を見つめても、どういうわけか香港の街並みに…
…私はアクティビストでもないし、政治的な映像作家でもありません。東北タイでどういったことが起こったかについては多くの研究者が記述しているので、私は同じ方法を取らないだけです。私が試みているのは「感覚(feeling)」そ…
エジプトのピラミッドはその大きさで人々を圧倒し、ドバイのブルジュ・ハリファはその高さで人々を圧倒し、フロリダのディズニー・ワールドはその広さで人々を圧倒する。同様に、そのシンプルさで人々を圧倒するものがある。それが人々…
アンジェイ・ワイダは「抵抗」の作家である。 これまでワイダを語る誰もが、それ以上の何かを言ったことはなかった。 あらためて考えてみよう。では、この作家はいったい何に「抵抗」していたというのか? 通説によれば、それは…
篠山紀信が好きだ🌺。キシンといえば、『オレレ・オララ』と『決闘写真論』である。古い作品ばかりでは、キシンが苦虫をかみつぶすので『KISHIN meets ART』(彫刻の森美術館)を挙げておく。最新作と…
過日、広尾駅から歩いて少しのところにあるギャラリー、Takuro Someya Contemporary Artで、岡崎乾二郎の新作絵画を見てきた。今から7年ほど前に初めて岡崎の文章に触れて以来、折にふれて気にかかる存在…
いわゆる画用紙大の紙から、壁一面、あるいは床一面を埋めつくすほど巨大な紙まで、大きさを異にする様々な紙には、どれも細かく皺が寄っている。一度くしゃくしゃに丸めて、再び元に戻した際にできた皺のようだ。そして、その皺の線に沿…
Hans Hollein, Monument for the Victims of the Holocaust, 1967. 昔の話。幼稚園の建物のある区画に、ダ・ヴィンチの『モナリザ』が掛けられていた。こ…
ツイッターを触っている人たちの中には、近頃、 『SUSHI食べたい』 とコメントする、異様な人々を眼にしたことがあるのではないだろうか。実際 『SUSHI食べたい』 と検索すると、異様な数の結果が現れ、その熱気も伝わって…