蔓延するうつ病と精神医療の現在――北中淳子インタビュー:『エクリヲ vol.13』「鬱の時代へ――失調と回復の哲学」

医療人類学者の北中淳子氏によると、現代はいわゆる「うつ病」の三度目の流行期だという。近代以降、この病を語る言説はそのあいまいな相貌を多種多様に変化させ続けてきた。かつては芸術家や知識人が罹る特権的な病とされていた「鬱」は…

「即興音楽」の諸相――ジャンル、イデオロギー、美学、方法論、情況論、原理論に向けて:『ヱクリヲ vol.7』「音楽批評のオルタナティヴ」

「即興音楽」あるいは「インプロヴァイズド・ミュージック」と人が口にするとき、果たしてそれは具体的に何を指し示してそのように呼んでいると言えるのか。曖昧なまま言葉だけが先行して流通し、決して合意や相互理解に至ることのない自…

清水穣インタビュー メディウム・スペシフィシティの新しい幽霊 :『ヱクリヲvol. 9』「写真のメタモルフォーゼ」

 いま、私たちは誰も「写真とは何か」を口にすることができない。日々500億枚以上もアップロードされるSNS写真、プラットフォームに表示されるサイネージ広告やゲーム内写真専門のプロフォトグラファーの出現――。現在においては…