斎藤環の方法論を精神分析する

斎藤環のものす批評は、一見してとてもスリリングで説得力がある。だが彼の文章を仔細に読めば、そこにはいくつかの大きな陥穽が見られる。この小論では、主に彼の文芸批評に的を絞って、その陥穽の在り処を示したい。 まずは、彼の「診…

川上未映子『ヘヴン』書評

著者にとって初めての長編小説となる『ヘヴン』は、小説というジャンルの持つ特質に対する強い意識を持った作品であると言えるだろう。斜視である中学生の主人公「僕」は、二ノ宮や百瀬といった級友からいじめを受ける日々を送っているが…

問題を提起する問題作

 どこがパンクなのだろう。白井智之著の「人間の顔は食べづらい」を読んですぐ、ふとそんなことを考えてしまう。  20XX年12月31日の日本、謎のウイルスによって動物の肉は食べなくなった。動物の肉の代わりにクローン人間を食…