『ヱクリヲvol.10』刊行イベント「一〇年代ポピュラー文化のアニマ」さやわか×名倉編×みるくぷりん×高井くらら


 『ヱクリヲvol.10』一〇年代ポピュラー文化――「作者」と「キャラクター」のはざまで特集ではアニメ、漫画、ゲームなどポピュラー文化において、「鑑賞者」誰しもが「作者」のように「キャラクター」を使役して消費することができる一〇年代の状況について考えた。そのようなコンテンツではそれが反転した「キャラクターに選択させられている鑑賞者」として、またそのような社会では「社会のキャラクター」として、わたしたち=鑑賞者も使役され消費されているのではないかという問題提起を行った。

 

 一〇年代のこの状況に繋がるのは、「使役して消費したい」と思わせる「魅力的なキャラクター」の存在である。ゼロ年代に東浩紀が「データベース消費」として提示したように、鑑賞者が記号の組み合わせであるキャラクターを愛でることはもはや当たり前になった。そして一〇年代では愛でるどころか、YouTuber/VTuber・Twitterアカウント・聖地巡礼など、「キャラクター」はわたしたち人間(「鑑賞者」「作者」)と同列に存在していることも当たり前になっている。

 「鑑賞者」が「作者」のような力を手に入れて「キャラクター」のようになったのであれば、一〇年代においては「作者」もまた「キャラクター」なのではないか。そこで誌面の「鑑賞者」についての議論に対し、本イベントではこれまで「キャラクター」を使役する特権的立場であった「作者」たちに話を伺う。漫画『qtμt キューティーミューティー』の原作担当のさやわか、小説『異セカイ系』の筆者名倉編、Vtuberのみるくぷりん――彼/彼女らはそれぞれ「作者/鑑賞者/キャラクター」の区分を実際に越境していると言える。

 

 「作者/鑑賞者/キャラクター」の区分がないのが一〇年代なのであれば、誰もが使役し消費される時代なのであれば、むしろ、「キャラクター」などというものは存在しないのかもしれない。ではこの時代に、これまで「キャラクター」と呼ばれていた者たちはどのように(「キャラクター」の枠を超え出る可能性を持つように)、命を吹き込まれているのだろうか。それがわかれば、「わたしたち鑑賞者も使役され消費されているのではないかという問題提起」に対して、わたしたちはどのように生きるかを思索する手がかりとなるだろう。

 そこで、それぞれの制作方法やメディアごとの比較などから、一〇年代の「キャラクターの実存の仕方」、つまり「アニマ」と呼ばれるものについて改めて考える。

 

※本イベントでは『qtμt キューティーミューティー』、『異セカイ系』および他作品のネタバレが含まれる可能性がございます。あらかじめご了承ください。

 

概要

2019年7月28(日) @SCOOL

19:00開場 19:30開始

前売:1500円 当日:2000円

 

チケットの予約方法

①公式サイトにてメールフォーム予約受付。

※本ページ下部にあるフォームに、「名前」「電話番号」「枚数」をご記入ください。こちらからの返信をもってご予約完了となります(24時間以内に返信します)。定員になり次第受付を締め切らせていただきます。

※予約キャンセルの場合は、お手数おかけしますが、必ず事前にご一報ください。

 

②ヱクリヲTwitterアカウント(@ecrit_o)にてDMで予約受付。

※DMに「10号刊行イベント」「電話番号」「枚数」をご記入ください。こちらからの返信をもってご予約完了となります(24時間以内に返信します)。定員になり次第受付を締め切らせていただきます。

※予約キャンセルの場合は、お手数おかけしますが、必ず事前にご一報ください。

 

ゲスト

さやわか

1974 年生まれ。ライター、物語評論家、マンガ原作者。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『AERA』『ダ・ヴィンチ』他で連載中。著書に『一〇年代文化論』、『僕たちとアイドルの時代』(ともに星海社新書)、『キャラの思考法―現代文化論のアップグレード』(青土社)など。マンガ原作に『qtμt キューティーミューティー』がある。NHK ラジオ第1『すっぴん!』、MBS『AniMaGa(アニマゲー)』他に出演中。

 

名倉編

1989年生まれ。京都府出身。「ゲンロン 大森望 SF創作講座」をへて『異セカイ系』で第58回メフィスト賞を受賞しデビュー。  

 

みるくぷりん

2018年5月から某広告代理店のバーチャルYoutuberとして活動を開始しました。動画投稿や生配信を続けていたところ、所属企業の事業停止に伴い生命の危機に瀕しましたが、なんとか命拾いしてフリーのバーチャルアイドル活動を続けています。YouTubeのほか、イベントへの出演やライターなどもしています。お仕事募集中。

Youtube URL→ https://www.youtube.com/channel/UCG5SwlKhp3DlfTJ8BD5Dl6Q

Twitter ID→ @milk_Amls

ブログ→ https://mipurin.hateblo.jp/

 

司会進行

高井くらら

1992年生まれ。ヱクリヲ編集部、ゲーム会社勤務。主に身近なアニメ、ゲーム、メディアについて執筆。『ヱクリヲ』1~10号、『ヱクリヲweb』、『MIW -MUSICOF IDOL WORLD-』、『硝煙画報』など。

 

会場アクセス

SCOOL

〒181-0013

東京都三鷹市下連雀 3-33-6

三京ユニオンビル 5F

三鷹駅南口・中央通り直進3分、右手にある「おもちゃのふぢや」ビル5階

地図:https://goo.gl/maps/yETihCH63Zz

 

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企画

ヱクリヲ編集部(@ecrit_o)

ヱクリヲ vol.10 
特集Ⅰ「一〇年代ポピュラー文化 〈作者〉と〈キャラクター〉のはざまで」
アイドル/メディア論研究で知られる西兼志と、ポップカルチャー批評のさやわかによる対談【アイドル〈の/と〉歴史】ほか、 一〇年代文化が持つコミュニケーション要素の系譜を総覧した、 【コンテンツ-コミュニケーション発展史 「会いにいける」から「反逆される」まで】他を掲載。
●さやわか×西 兼志「アイドル〈の/と〉歴史」
●高井くらら「コンテンツ-コミュニケーション発展史 〈会いにいける〉から〈反逆される〉まで」
●難波 優輝「バーチャルYouTuberエンゲージメントの美学――配信のシステムとデザイン」
●楊 駿驍「あなたは今、わたしを操っている。――「選択分岐型」フィクションの新たな展開」ほか
特集Ⅱ「A24 インディペンデント映画スタジオの最先端」