インディーゲームの中でもポピュラーな作品を紹介する商業的記事は多い。しかし作品の性質自体に寄り添い、かつ多くの作品に触れることができるインディーゲーム・リストはいまだ用意されていないのではないか。そんな問題意識から、我々は60の作品を扱ったこのリストを製作した。
このリストの中の作品はすべて、特集の趣旨に沿う特徴的な「動詞」を持つ作品たちであり、リストはそれら「動詞」ごとにまとめられている。そして、特に綿密に紹介する必要のある「動詞」を持った作品についてはコラムを別途に用意した。本リストを地図に、ぜひともインディーゲームの奥深い森を探索してほしい。
(本記事は『エクリヲ vol.11』「インディーゲームと動詞」特集に掲載した記事を再掲したものです。)
目次(★のつく作品はコラム記事)
- 集める Agar. io/INSIDE/塊魂
- 生きる/死ぬ Shelter/This War of Mine/フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと
- 得る/失う からっぽのいえ(★)
- 移り変わる Everything
- 押す Papers, Please/Please, Don’t Touch Anything
- 落ちる Downwell/ヒューマンフォールフラット
- 関係する Florence
- 解釈する The Beginner’s Guide(★)
- 会話する Glare1more/Undertale
- 管理する Graveyard Keeper/Stardew Valley
- 書き換える Doki Doki Literature Club!/Pony Island
- キスする Realistic Kissing Simulator(★)
- 刻む クリプト・オブ・ネクロダンサー(★)
- 聞く Dark Echo
- ゲームする 198X
- 組み替える Baba Is You/Typoman/WILL -素晴らしき世界-
- 殺す Death Coming/Kill The Bad Guy
- 寸断する SUPERHOT
- 探す ALTER EGO(★)
- 育てる 中国子育て物語(★)
- 繋ぐ Monument Valley/Plug & Play/Portal
- 繋ぐ Gorogoa(★)
- 撮る 1979 Revolution: Black Friday/Outlast 2/LoveR
- 飛ぶ Sky 星を紡ぐ子どもたち
- 眺める Mountain
- 塗る The Unfinished Swan/ブロブ カラフルなきぼう(de Blob)
- 登る Celeste/Getting over it
- 働く ヒューマン・リソース・マシーン
- 跳ねる Super Bunny Man
- 編集する Republica TImes
- 増やす CookieClicker/Plague.inc
- 放置する 放置少女〜百花繚乱の萌姫たち〜(★)
- 待つ Dota Auto Chess(★)
- 見る The Tearoom(★)
- 巻き戻す Life is Strange
- メタる The Stanley Parable/The Hex
- 類推する Telling Lies/Return of the Obra Dinn
- 予知する Katana ZERO/予言者育成学園 Fortune Tellers Academy
集める
Agar. io
小さな丸になり、餌や他のプレイヤーを吸収して大きくなるよう動いていく。他のプレイヤーを吸った大きな他のプレイヤーは自分を吸う危険はあるが動きが遅いので、小さな間は逃げ回ったり、自分より小さいプレイヤーを狙う必要がある。(横山タスク)
INSIDE
森の奥にある謎の工場に入った少年は、そこで魂のない肉体が作られているのを発見する。最後に工場の深部に廃棄された無数の肉体たちと癒着し、少年が巨大な肉塊になって工場を突破する様は、キャラクターの身体の反乱を彷彿とさせる。(横山タスク)
塊魂
ポリゴンの世界を転がり様々な物にくっつきながらひたすら大きくなっていく。小さなものから始めて少しずつくっつき、やがて人や車、最後には星や星雲を飲み込むまで大きくなる。CGモデルの自由なサイズ感を利用した作品。(横山タスク)
生きる/死ぬ
Shelter
アナグマや狐などの小さな生物になり、子供に餌をあげたり雨露や肉食動物を避けたりしながら生き残る。自分を襲う動物がより巨大な動物に捕食されることもあり、あくまで自然の食物連鎖へのフラットな視線を維持している。(横山タスク)
This War of Mine
占領下の街で食料や薬や寝床に欠いた状況を複数のキャラを操作して生き残る。他人から施しを受ける見込みは低く、多くの場合盗んだり殺したりして奪い、怪我や病気(精神疾患も含む)のリスクと戦い続ける必要がある。(横山タスク)
フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと
英国の片田舎にあるフィンチ家の敷地を回りながら、かつてそこに住んでいた家族全員の人生と死際を追体験する。一人ひとりの回想にそれぞれ異なるゲーム性が用意されており、彼らの特異な精神世界を追体験することができる。(横山タスク)
得る/失う
からっぽのいえ
『からっぽのいえ』は、ロボットRJ6388265(以下、「RJ」)が、ずっと以前に死んだ家主のみっちゃんとの記憶を消すことで家を増強し、敵から家を守るゲームである。プレイヤーはRJが記憶を消す時にはじめて、その記憶を読める。RJは記憶を失うことで家を守る力を得る一方で、プレイヤーは彼の記憶を得ることで家を守る理由を失っていく(物語が辛く、途中でやめてしまうプレイヤーも少なくない)。自分が操作することで「得る/失う」という背反する動詞が同時に発生する、この悲しい物語を、プレイヤーはどう受け止めるべきなのだろうか。
実は、RJとプレイヤーの間にはOSという仲介者が存在する。OSは人に近い思考を持っており、当のRJ自身に感情はないのだ。そのため、記憶に綴られたRJのみっちゃんへの想いはOSによる解釈にすぎない。RJが記憶を失うということは、OSの持つ情報とOSの存在を失うことなのだという。
OSは最後に「死ぬとは明日したいことが叶わないことで、私はRJの幸せを祈っている。私が死ぬことでRJの幸せが叶うなら、私は死に、そして死なない」という心情=記憶を明かす。「死ぬ/死なない(生きる)」も背反する動詞であり、そしてOSは「RJには抱えられないこの矛盾を抱えることが私の役割だ」と言う。だがここでの問題は、RJはロボットであり「幸せ」という概念を持たないということだ。そのため、プレイヤーが存在しない、ただRJとOSのみの状態では、OSの「RJが幸せになる」という願いすらも叶わない。
そこで、プレイヤーの存在が意味を持つ。このゲームでのプレイヤーの役割はOSの記憶を得て、代わりにRJの幸せを認めることだ。つまり、プレイヤーが「RJが記憶を失う=OSが死ぬ」と「プレイヤーが記憶を得る=OSが死なない」を同時に経験する=「矛盾する」ことで、このゲームは「悲しい物語」でありながらも「幸せな物語」になるのではないか。(高井くらら)
移り変わる
Everything
動物から木へ、銀河からバクテリアへと、ありとあらゆる存在に憑依しながら、世界の見え方の変化を眺めていくゲーム。終わりのない世界で、哲学者アラン・ワッツの言葉とともに、プレイヤーは主体についての思索に導かれていく。(福田正知)
押す
Papers, Please
入国審査官となり、やってきた人々の素性を細かく検分したあと、入国か拒否のスタンプを押して選別していくシミュレーション。当然嘘をつく人間もいるため注意深く情報を吟味する必要があるが、時に自分の家族を守るために自らも虚偽の報告をする選択に迫られる。(横山タスク)
Please, Don’t Touch Anything
赤いボタン一つだけがあるパネルを目の前に何も押すなと言われる。それを押してしまうとパネルはどんどん複雑に変化し、予想できない結果を生み出す。ボタンを押すというゲームの本質がいかに豊かなものになりうるかを、まさにボタンを通して再帰的に表現する。(楊駿驍)
ジャンル パズル
開発元 Four Quarters
プラットフォーム Nintendo Switch PC/iOS/Android
リリース年 2015
https://store.steampowered.com/app/354240/Please_Dont_Touch_Anything/
落ちる
Downwell
井戸の中をガンブーツという真下に射撃する銃を駆使しながらひたすら下っていく。エフェクトの爽快感やシステムのシンプルさに対して、井戸の中の地形が入る度に変わるなどやりこみ要素も多い。(横山タスク)
ジャンル 2Dジャンプアクション・ シューティング
開発元 Moppin
プラットフォーム PlayStation 4 PlayStation Vita Nintendo Switch PC/Android/iOS
リリース年 2015
https://store.steampowered.com/app/360740/Downwell/
ヒューマン フォール フラット
3DCGの主人公にはボーンがなく、ぐにゃぐにゃして「掴む」「飛ぶ」などの動作が覚束ない。そんな状態で夢の中を進むゲームだ。何を「し」ても思うようにはならないが、唯一ステージから「落ちる」時は私たちの知る「人」の動きになる。(高井くらら)
関係する
Florence
オフィスで冴えない日々を過ごす女性が、ミュージシャンの男性と出会い、恋に落ち、一緒に暮らし、そして別れる。プレイヤーは画面をなぞり、スクラッチするなど、さまざまなインタラクションを通して、恋人との関係が築かれ、崩れていくのを疑似体験する。(高井くらら)
解釈する(コラム記事)
The Beginner’s Guide
ゲームを開始すると、白い画面を背景に「やぁ、The Beginner’s Guideを遊んでくれて本当にありがとう」「これから、私の友人Codaが作ってくれたゲームを見ていこう」と、ナレーターがプレイヤーに語りかける。Codaは2008年より不思議なゲームを作り始めたが、2011年を機に一切作らなくなったという。しばらくすると砂漠の街が現れ、フィールドを移動できるようになる。しかし、敵もいなければ目的地も示されない。さらにはフィールドのいたる所で、不自然にも木箱が宙に浮いている。これはCodaが最初に作ったゲームだとナレーションは告げる。彼の話をしばらく聞いている内に、プレイヤーはCodaが作ったとされる次のゲームに放り込まれ、これまた同様に不自然なモデリングが施されたフィールドを探索する。Codaはなぜこのような理解し難いゲームを作ったのか。この問いに対する様々な解釈がナレーターによって展開されながら“ゲーム”は進行し、Codaがゲーム作りをやめた理由が徐々に明かされる。
このゲームでは、銃を撃ったりパズルを解いたりといったゲーム的要素がちりばめられていながら、それらの要素は何の目的とも紐付けられない。しかしそれらの表象を「解釈する」ことで、作家の存在感が大きくなる。なぜCodaはこのようなゲームを作ったのか。こうした解釈を通じて巨大化する作家の影が、やがてナレーターの男を追い詰めていく。
作家がメッセージを仮託するメディアとしてゲームを捉える見方は、無意味な表象に何かの意味を神経症的に見出すという強迫を導いてしまうことが本作では示される。しかし、ゲームの裏には作者がいるという事実により、我々は解釈から逃れることはない。プレイヤーの「解釈する」という営みに対して一定の距離を置きつつも、このことによって逆説的に、「The Beginner’s Guideとは何か?」という解釈をプレイヤーの中に呼び起こす。このような相反する役割の上に、本作は成立している。(福田正知)
会話する
Glare 1 more
ある日送られてきたロボットのメイドと会話し意思疎通しながら、彼女がなぜ送られてきたのかを解き明かす。相手の会話や流れから適切な言葉を推察して打ち込むことによって会話していく。(横山タスク)
Undertale
地下に繋がる穴に落ちてしまった女の子を操り、個性豊かなモンスターとの戦闘/出会いを潜り抜け、地下世界からの脱出を目指す。対峙する敵ごとに選択できる「動詞(コマンド)」が変わる、コミュニケーションとして解釈された 戦闘が特徴である。(福田正知)
管理する
Graveyard Keeper
墓守として中世の墓場を管理する。定期的に運ばれてくる死体を埋めるだけでなく、資源として効率的に利用することが必要。死体をいじりすぎると、墓の評価が下がる。合理的な管理と人間的な倫理の間のパラドックスをどのように解決するかを問う作品。(楊駿驍)
Stardew Valley
辺鄙な田舎にある荒れた農場を受け継ぎ、村の住人と交流し、自らの農場を管理する。木を伐り、土地を耕し、苗を植え、動物に餌を与えていくうちに、自分の小さな、しかし生きている世界が現れ、プレイヤーによる全体的な関与=管理を要求するのである。(楊駿驍)
書き換える
Doki Doki Literature Club!
四人の少女たちのいる文芸部に入部し、詩を制作しながら交流を深めていくノベルゲーム。だが徐々に幸福な関係は崩壊し、メタゲーム的な演出が次々と挿入され、最後にはプレイヤーはゲームファイル自体を自ら操作することを強要される。(横山タスク)
Pony Island
廃棄されたゲームをプレイすると、その中に潜む悪魔がプレイヤーの魂を奪うためにあの手この手でプレイヤーを妨害してくる。過去に敗れ囚われたプレイヤーたちの助けを借りながら、ファイルを弄ったりコードを書き換えて対抗する。(横山タスク)
キスする(コラム記事)
Realistic Kissing Simulator
ゲームとは「動詞の具現化」である。この見解を初めて見たのは、ブルボン小林氏の評論でだった。相撲は野球よりも遥かにゲーム化しにくいと氏は評した。その理由として、野球は人数と道具こそ多いものの、「投げる」「捕る」「打つ」「走る」などの少ない動詞だけでルールの説明がつく。一方、相撲は「押す」「引く」「投げる」「突っ張る」「いなす」「巻きかえる」など、そのルールを構成する動詞は多岐に渡り複雑だからだと、氏は論じた(*1)。
動詞はゲームの根幹を成すものだが、動詞ごとにそれぞれゲームとの親和性に差がある。「キスより銃の方がアニメートしやすい」(*2)という指摘の通り、「撃つ」「殴る」「斬る」を主軸にしたゲームは主流を占めているが、「触れ合う」「抱きつく」のような繊細な動詞をゲームプレイで再現した作品は珍しい。『Realistic Kissing Simulator』(2014)は、二人のプレイヤーが舌を操作して接吻するブラウザゲームである。「Realistic」の名に反して、いささかもリアルに見えない。舌を出そうとキーを押し込んだら、自分の目に当たってしまう。相手の唇を舐めようとしたら、向こうの舌に衝突して動けない。あり得ないほどに伸びた舌がゴチャゴチャとのたくる様子は、見た目こそシュールだが、キスの「体験」をうまく再現している。
キスにはぎこちなさが伴う。キスしようとしたら唾で濡れた髪が口に粘りつく。ディープキスのつもりで舌を突き出したら切歯に当たってしまう。舐め回したいのに舌を吸い付かれて動けない。キスは両方の意気投合が要るが、キス中は喋れないので意思疎通もままならない。キスとは思ったより滑稽で不格好な営みだ。『Realistic Kissing Simulator』では、互いが息を合わせないと、ディープキスはおろか舌をまともに絡めることすら叶わない。キスというおかしな体験を、本作は見事に具現化した。キスほど機微な動詞すらゲームにできるなら、相撲のゲーム化もいよいよ実現されるかもしれない。(Jerry Chu)
*1:ブルボン小林(2002)「ゲームとは動詞の複合である」、『ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ』、ちくま文庫、2009年、285–289頁。
*2:Thomsen, M (2012). “The Year in Video Game Sex 2012.” IGN. https://www.ign.com/articles/2012/12/30/the-year-in-video-game-sex-2012.
ジャンル シミュレーション
開発元 Jimmy Andrews、Loren Schmidt
プラットフォーム ブラウザ
リリース年 2014
http://jimmylands.com/experiments/kissing/
刻む(コラム記事)
クリプト・オブ・ネクロダンサー
ローグライクゲームは動詞の宝庫だ。1ターンで1動詞を取ることができ、「歩く」ことから始まり、時には敵と「戦う」か「逃げる」かを選択し、アイテムを「拾う」「使う」「食べる」。そして、これらの動詞は「探索する」という動詞の中にまとめることができる。シンプルにランダム生成されるダンジョンを「探索する」だけのローグライクの面白さは、行動の選択肢=動詞の多さに支えられている部分も多いだろう。
そのような自由度の一方で、固定化された「探索」の内容は、見方次第でゲームの枠を縛る要素だと解釈できる。この「探索」の不自由さから抜け出しているのが「ローグライト」と呼ばれるゲーム群だ。
例えば『クリプト・オブ・ネクロダンサー』は、「ターン」の概念を「ビートを刻む」という形で表現することで、全く新しいゲーム体験を生み出している。
同作ではターンが音楽と共に自動的に進み、プレイヤーはBGMのビートに合わせて行動しなければならない。ビートを外せば収入減少、場合によってはダメージを受ける要因にもなる。その結果、プレイヤーは従来ならばじっくりと考えてから行えた探索を、瞬時の判断の連続によって行うことを迫られる。同作ではビートが「心臓の鼓動」という形で表現されており、プレイヤーは、文字通り生きるためにビートを刻む。多くの選択肢を瞬時に判断して行動するさまは、現実世界を生きる私たちのビート、即ち私たちの生活によく似ている。私たちは常に多くの選択肢を抱えながら、時には明確な理由を持って、時にはなんとなく、またある時には無意識に自分たちの行動を選択している。
もちろん、同じビートでも「ノリ方」はプレイヤーによって様々である。また、モンスターだって自分と同じように行動するわけではない。敵と共通のビートでも、行動様式はまるで違う。それを蔑ろにすればミスをするというのも、現実世界における「私」と「他者」との関わり方と同じだ。ドラゴンと異なり、上司がブレスを吐くことはないと思うが。(堀江くらは)
聞く
Dark Echo
音の反響(プレイヤーにとっては光の反射)を頼りに地形や敵の位置を把握して、暗闇を進むゲーム。音を立てると地形がわかるが、敵が寄ってきてしまうというジレンマがあり、「音が聞こえる範囲」を意識する必要がある。(高井くらら)
ゲームする
198X
郊外でつまらない生活を送る少年が、アーケードゲームプレイを通して欲望を満たしていくゲーム。「遠くへ行きたい」時は「RUN AWAY」という車で走るゲームをプレイするというように、ゲーム内で「ゲームと動詞」を表現している。(高井くらら)
組み替える
Baba Is You
ブロックを動かしてステージ毎の勝利条件を満たしていく。だが本作はゲーム中の勝利条件や物理法則もゲーム内の言葉のブロックの組み合わせで形成されるので、ブロックの移動に伴う法則の変化をうまく調整しながらパズルを解いていく。(横山タスク)
Typoman
ばらばらにされ、オブジェクト化した言葉。それを組み換えることでステージ=世界が変化し、前に進むことができる。その意味で単に象徴的、認知的な記号ではなく、世界を構成し、変化させるモノとして言葉と関係を持つことになる。(楊駿驍)
WILL – 素晴らしき世界-
神として人間たちから届く手紙の言葉を組み替えることで、出来事の因果関係や、宇宙の摂理さえも変えてしまう。しかし人間たちを救済しようとしても、決してうまくいかない。世界と言葉の透明な対応、言葉で世界を変えることの全能感はその過程で解体される。(楊駿驍)
殺す
Death Coming
たとえなんの罪がなくとも、人間には等しく期限=死が訪れる。プレイヤーは死神の代理となり、死という人間にとって避けがたい自然現象として、町中のさまざまな物や危険なスポットを利用し、間接的に人間を効率よく死なせて/殺していく。(楊駿驍)
Kill The Bad Guy
悪人の情報を与えられ、神の視点でオブジェクトを操作し、事故に見せかけ殺すゲーム。罪悪感や逮捕の危険などが排除され、ただ純粋に「どのように殺すか」だけを考えてプレイできる。サブミッションが多数あり、高得点には「どのように」の部分が重要となる。(楊駿驍)
寸断する
SUPERHOT
動いている時のみ時間が進み、それ以外は時間が静止する。時間が寸断される。移動や銃を撃つことが、状況把握と時間的に分離することで、アクション映画のようなかっこいい動きが可能になる。かっこいい動きには動作と認知の分離と再結合が必要である。(福田正知)