「アウターヘブン」から「アジア」へ:『エクリヲ vol.4』「ニッポンの批評――現代日本の外に出る/外から見るためのX冊」
※本記事は『エクリヲ vol.4』「ニッポンの批評――現代日本の外に出る/外から見るためのX冊」から抜粋掲載したものです 選書 伊藤計劃『メタルギアソリッド:ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』 乗松亨平『ロシアあるいは対立…
※本記事は『エクリヲ vol.4』「ニッポンの批評――現代日本の外に出る/外から見るためのX冊」から抜粋掲載したものです 選書 伊藤計劃『メタルギアソリッド:ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』 乗松亨平『ロシアあるいは対立…
悪しき漢字 アメリカのSF作家であるテッド・チャンは「漢字」というものを嫌っている。彼は表意文字としての漢字をまったく非効率的なコミュニケーションとして非難しており、中国の近代化を妨げ、伝統への固執を生み出している「悪い…
『ヱクリヲvol.10』一〇年代ポピュラー文化――「作者」と「キャラクター」のはざまで特集ではアニメ、漫画、ゲームなどポピュラー文化において、「鑑賞者」誰しもが「作者」のように「キャラクター」を使役して消費することがで…
『ペンギン・ハイウェイ』(2018年、石田祐康監督)は、作中で「科学の子」とも呼ばれる主人公のアオヤマ君による「仮説と検証」のプロセスを描いた映画である。〈海〉、ペンギン、「お姉さん」……彼は様々な不思議な現象を観察し、…
濱口竜介にとって、初の商業映画となる『寝ても覚めても』(2018)が9月1日(土)より全国上映された。その名を世に知らしめることになった5時間17分の傑作『ハッピーアワー』(2015)、あるいはその後に撮られた驚嘆に値す…
構成/横山タスク・竹永知弘 2018年3月2日 三鷹SCOOL 先日公開された円城塔と佐々木敦による対談の後編をお送りする。後編にはいり、佐々木は『エピローグ』『プロローグ』から、最新作にして問題作『文字渦』(2018…
構成/横山タスク・竹永知弘 2018年3月2日 三鷹SCOOL この公録は3月2日にSCOOLにて行われた円城塔と佐々木敦の対談企画「『エピローグ』と『プロローグ』のあいだ ー世界・SF・私小説ー」を文字起こしして再編し…
ニュー・ジャーマンシネマの巨匠フォルカー・シュレンドルフの新作『男と女、モントーク岬で』(2017)に描かれるのは、裕福な中年作家のロマンチックなラブストーリーだ。そう聞いて、ありふれたテーマにげんなりした方はもう少し…
清原惟による監督作品『わたしたちの家』(2017年、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻11期修了作品、配給:HEADZ)は、2017年PFFアワードグランプリ受賞、第68回ベルリン国際映画祭・フォーラム部門に正式出品な…
チリ、サンティアゴで昼間はウェイトレス、夜はナイトクラブのシンガーとして働くトランスジェンダーのマリーナは、歳の離れた恋人オルランドとその年の誕生日を祝う。彼はテキスタイルの会社を経営し、離婚した妻との間に成人した子ど…