三宅唱インタビュー:連載「新時代の映像作家たち」
三宅唱が撮る映画ほど「やくたたず」たちが魅力的に活写される作品はない。最新作『きみの鳥はうたえる』(2018)では、「僕」と「静雄」はバイトをサボっては朝まで酒を飲み、街角のスタンド花を盗む。バイトではろくに仕事もできな…
三宅唱が撮る映画ほど「やくたたず」たちが魅力的に活写される作品はない。最新作『きみの鳥はうたえる』(2018)では、「僕」と「静雄」はバイトをサボっては朝まで酒を飲み、街角のスタンド花を盗む。バイトではろくに仕事もできな…
濱口竜介にとって、初の商業映画となる『寝ても覚めても』(2018)が9月1日(土)より全国上映された。その名を世に知らしめることになった5時間17分の傑作『ハッピーアワー』(2015)、あるいはその後に撮られた驚嘆に値す…
「意味ないって言ったら、この世の中何もかも意味ないでしょ。全部どうでもいいよ。(…)普通の奴らは今こんなことに気づかないで、高校生活を送るでしょ。それで大人になって、ああ、あの頃はよかったって語られるのが今だよ。でも、今…
山中瑶子とは誰なのか。2017年の9月まで、誰も彼女の名前を知らなかった。PFFアワード2017観客賞を受賞した彼女が19歳から20歳にかけて撮った処女作『あみこ』(2017年)は、ベルリン国際映画祭を皮切りに香港・スペ…
映画『ペンギン・ハイウェイ』(石田祐康、2018年)の主要登場人物のひとりである「お姉さん」にはどうやら、ジュース缶や野球ボールをはじめ、あらゆる無機物をペンギンやコウモリ、架空の怪物に変身させる能力が備わっていること…
2018年夏の大作アニメーション映画として話題を集める『ペンギン・ハイウェイ』。小説家・森見登美彦の原作を今回映像化するのは、2011年に設立されたアニメーション制作スタジオ、スタジオコロリドだ。スタジオ設立時のメンバー…
0、導入 今回取り上げる「深田晃司」で、連載「新時代の映像作家たち」が取り扱う作家は4人目になる。必ずしも明確な規定があるわけではないが、ここまで主に1980年以降生まれの日本の映像作家を取り扱ってきた。今回は少し趣旨…
……今、世界で最も注目すべき映画監督であるニコラス・ウィンディング・レフン。 本邦初の大特集を組んだ批評誌『ヱクリヲ』8号での執筆陣を迎えて、「N・W・レフン――拡張するノワール」特集を、さらにB&Bで大拡張しま…
深田晃司による新作『海を駆ける』(2018年)は『ほとりの朔子』(2014年)、『淵に立つ』(2016年)に続く「水辺」三部作ともいうべき作品となった。前二作が河辺を象徴的な場所として描いたのに対し、『海を駆ける』はまさ…
ニュー・ジャーマンシネマの巨匠フォルカー・シュレンドルフの新作『男と女、モントーク岬で』(2017)に描かれるのは、裕福な中年作家のロマンチックなラブストーリーだ。そう聞いて、ありふれたテーマにげんなりした方はもう少し…