音楽プラス1、あるいは音楽はどのように建てられるか――デヴィッド・バーン『音楽の効き方』 評(連載「音楽批評のアルシーヴ海外編」)
David Byrne “How Music Works”(McSweeney’ s Books, 2012) どの分野の芸術にも「天才神話」というものは付き物である。ある一人の芸術家の脳裡へアイディアや…
David Byrne “How Music Works”(McSweeney’ s Books, 2012) どの分野の芸術にも「天才神話」というものは付き物である。ある一人の芸術家の脳裡へアイディアや…
Steve Goodman, Sonic Warfare: Sound, Affect, and The Ecology of Fear(The MIT Press, 2010) 本書の手付きにならって、ひとつのエ…
Date: 2018 May 10th Place: West Village, NYC Interviewer: Joe Onishi ――How have you started music in …
聞き手・翻訳・構成/大西常雨 2018年5月10日 West Village, NYC 生粋のニューヨーク育ちで、実験的ギタリストとして出発しつつ、言葉と声をその表現手段として獲得し、極めて独自の立ち位置にいる音楽家チ…
大谷能生による『平岡正明論』が、ele-king booksより5月30日に刊行された。大谷能生にとっては『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』以来の、5年ぶりの単著になる。同書は、ジャズのみならず政治思想、第三世…
遠藤麻衣子という才能の前で私たちは言葉を失う。彼女の作品を見た者は高速で移り変わるヴィヴィッドなイメージと、声とノイズが混濁した音の奔流に圧倒されるだろう。それは鑑賞者に感じることを求め、「読む」ことを恐れさせる。彼女…
死者を悼むとはどのようなことか、最近よく考える。その直接的な契機については省くが、実際のところそれは、具体的な「正解」があるというわけではなく、考えられる形態のなかでの選択――自身のなかでの落としどころを見つける作業に…
遠藤麻衣子は違う惑星からやってきた――。 この新たな作家がもたらす衝撃を気鋭の映画監督ジョッシュ・サフディはそう評したが、それは日本の観客にとっても同じことだ。ヘルシンキで生まれ、高校卒業後に日本からNYへと渡った遠…
五十嵐耕平は、驚異的な映像作家である。だが、ハリウッド映画に見慣れた観客からすれば、もしかしたらその作品は「ほとんど何も起こっていない」ように見えるかもしれない。ダミアン・マニヴェルとの共同監督作である新作『泳ぎすぎた夜…
2017年、日本に現れた『わたしたちの家』という小さな映画の大きな可能性について考えるとき、参照すべき言葉がある。1992年生まれのそのまだ若い映画監督は自身の作品について「映画を見ている私たちも(スクリーンとは)別の…