Interview:チャーリー・ルッカー「NYアンダーグラウンドの叡知とその展開ーーブルックリンDIY・メリスマ歌唱・反ファシズム」



〔1〕 NYダウンタウンの伝説的なクラブ。

〔2〕ここではJohn Zorn(1953-)を中心的として形成した実験音楽のシーンのことを指す。シーンを象徴する演奏会場にKnitting Factory, Tonic(2006年に閉鎖)、 The Stone、代表的なレーベルにTzadikが挙げられる。

〔3〕John Zorn(1953-)サックス奏者、作曲家。代表作Cobraで見られるように、自由即興、フリージャズ、ハードコア、メタル、サーフミュージック、現代音楽、先端的な多数の音楽をポストモダン的な姿勢で並置させることを徹底させた。日本にも住むなど日本文化の造詣も深く、山塚アイなど、共演した日本人音楽家も多い。

〔4〕ウェズレヤン大学でシュトックハウゼン作品を教えるブラクストン

〔52005年に作られた、NYダウンタウンシーンを代表するパフォーマンススペース。キュレーター制、非営利、飲食禁止などの方針がある。2018年3月にイーストヴィレッジからグリニッジヴィレッジにある、New School大学のArnold Hallに移転した。

〔6〕例えば、Lou Reedとの共演が挙げられる。

〔7〕時期的に見て、ここで共演している可能性が高い。参考動画【Tyondai Braxton – Live in London

〔8〕アルノルト・シェーンベルク(1874-1952)によって創始された作曲法。1オクターブの構成音12音全てを使用して音列を組み立てる原理の元、西洋音楽が無調へと出発する起点となり、西洋現代音楽の始点となった。

〔9〕ここでは参考動画として弦楽四重奏曲(op.22)。

〔10〕Lookerは好きな作曲家として、レオニヌス(1135-1201)、ヨハネス・オケゲム(1410頃ー1497)、フランチェスコ・ランディーニ(1325頃-1397)、ジョスカン・デ・プレ(1450頃-1521)、ギョーム・デュファイ(1400頃-1474)などを挙げている。

〔11〕1音節を多数の異なる音で装飾的に歌う唱法。Lookerは主に中世音楽やルネサンス音楽のメリスマの技巧を参考にした。

〔12〕例えば、広く使用されているグレゴリア聖歌集の『リベル・ウズアリス』からの聖歌

〔13〕Patrice O’Neal(1969-2011)。スタンダップ・コメディアン。人種やジェンダー、エイズや自身の病でもあった糖尿病をネタとして論争的なコメディを行なった。参考動画 Comedy Kings (Just For Laughs)

〔14〕Julia Kirsteva(1941-)。フランスの文学理論家。ブルガリア出身。ユダヤ系。参考動画 Julia Kristeva On Linguistics


プロフィール

チャーリー・ルッカーPsalm zero etc./ex-Zs, Extra Life, Dirty Projectors etc.)

ブルックリン2000年代のアヴァンロックシーンを代表するZsの創立メンバー兼ギタリストとして活躍し、一時期はDirty Projectorsにも在籍。作詞作曲も手がける自身のバンドExtra Lifeで特異なスタイルを持ったヴォーカリストとして出現し、2011年にはNPRで”Top 100 Composers Under 40″ として作曲家としての評価も受けた。2012年からはPsalm Zeroでメタル的要素を濃厚にした音作りを続けている。より最近、NYダウンタウンシーンの中心地The Stoneでレジデンシーを務め、Tyondai Braxton、Mary Halvorson、Trevor Dunnを始め名だたる音楽家と共演。この6月には歌詞はJulia Kristevaらに影響を受けたというソロデビューアルバムにしてダークオーケストラポップである“Simple Answers”が発表される。Web:http://www.charlielooker.com/