「なぞる」の「謎」を「謎る」ーー山本浩生個展に寄せて
いわゆる画用紙大の紙から、壁一面、あるいは床一面を埋めつくすほど巨大な紙まで、大きさを異にする様々な紙には、どれも細かく皺が寄っている。一度くしゃくしゃに丸めて、再び元に戻した際にできた皺のようだ。そして、その皺の線に沿…
いわゆる画用紙大の紙から、壁一面、あるいは床一面を埋めつくすほど巨大な紙まで、大きさを異にする様々な紙には、どれも細かく皺が寄っている。一度くしゃくしゃに丸めて、再び元に戻した際にできた皺のようだ。そして、その皺の線に沿…
レオス・カラックスの映画について考え続けた結果、必然的にそれは、彼の映画を形成する最も重要な、走ること、愛すること、そして映画についての思考になった。 まず、走ること。映画において、走ることは2つの運動を意味している…
スターバックスコーヒーの新作、カンタロープメロン&クリームフラペチーノを飲んだ。この新作がレセプションでお披露目され、数々のモデルが試飲会に招待されているのをインスタグラムで横目に見て指を噛んでいた時から私のこのカンタ…
ヱクリヲvol.4特集ニッポンの批評――「現代日本の外に出る/外から見るためのX冊」番外編 Theme:「書物の多様性を考える1冊」 戸田ツトム『断層図鑑――錯誤のグラフィックデザイン・断章』 執筆:福田正知 路面写真…
『ヱクリヲ4』副編集長 山下 研 2014年7月から12月にかけて「映画美学校 批評家養成ギブス第3期」が実施された。主宰者は過去「4期」の批評家養成ギブスと同様に、文芸/映画/音楽/演劇…
――ときどき思うのです。わたしの書いた作品(エクリチュール)はすべて向こう、田んぼと森と孤独のあいだから生まれたのではないかと (マルグリット・デュラス『私はなぜ書くのか』) 「わたし」の記憶とは何か。 このような問い…
映画の誕生は、写真すら満足に普及していない19世紀末の世界において革新的な出来事だった。観客は迫りくる列車に恐れ慄き、後景に配された木々が風に揺れる様に釘付けとなった。克明に外界を記録する写真にもない「運動」そのものの…
0. 私の好きな哲学と、私の好きな芸術は、今はあまり生産的な合流を見せてくれていない。けれど、いつかはそうなってほしい。いや、自分の力できっとそうしてみせる。そうした気概からこの小文を書いた。主要な登場人物は3人に絞った…
第二十二回文学フリマ東京(日時:2016年5月1日)にて爽やかに新刊の出品をいたします。
劇団サンプルの最新公演『ひとりずもう』を観た。この作品の面白さと尽きせぬ魅力はおそらく、それが既成のジャンルに区分できないところにあるのだと思う。パンフレットには「テスト・サンプル05『ひとりずもう』」としか記述がないこ…