記号的身体の健康と美味について ―『東京喰種』論―
「食べる」ことの美的感覚 「食べる」ことについて考えれば考えるほど、深い沼の中にはまっていくような気がする。 「食べる」という営みが一種の関数であるとするならば、それは生理、嗜好、環境、その他あらゆる変数によって…
「食べる」ことの美的感覚 「食べる」ことについて考えれば考えるほど、深い沼の中にはまっていくような気がする。 「食べる」という営みが一種の関数であるとするならば、それは生理、嗜好、環境、その他あらゆる変数によって…
「闇にみちた暗い大地は、たえず光りの大地に、 太陽が受胎させてくれる愛の大地になりたいと願う。」 ジュール・ミシュレ『山』 山にまつわる映画は別段珍しいものではない。とりわけ二〇年代後半から三〇年代…
G Douglas Barrett, After Sound: Toward a Critical Music(Bloomsbury, 2016年) 「絶対音楽」は、言葉から解放された「響きそのもの」を称揚…
鎧塚みぞれ(CV: 種﨑敦美)はなぜフグを愛でるのか。それはフグに脚がないからである【図1】。 映画『リズと青い鳥』を監督した山田尚子が脚にこだわりをもつ「作家」であることはファンにとって周知の事実であり、彼女が手が…
『きみの鳥はうたえる』と同日(2018年9月1日)に公開された日本映画『寝ても覚めても』の監督である濱口竜介は、自身が特集された『ユリイカ 』2018年9月号において、「同日公開記念」という建前のもと『きみの鳥はうた…
『ペンギン・ハイウェイ』(2018年、石田祐康監督)は、作中で「科学の子」とも呼ばれる主人公のアオヤマ君による「仮説と検証」のプロセスを描いた映画である。〈海〉、ペンギン、「お姉さん」……彼は様々な不思議な現象を観察し、…
0. 導入 この連載は「『新』時代の映像作家たち」と銘打たれているが、果たして私たちは「新しさ」についてどのくらいのことを知っているだろう。ある芸術作品がそれまでの作品にないなにかを持っているのだとしたら、その「新し…
Jemes Braxton Peterson “The Hip-Hop Underground and African American Culture: Beneath the Surface”(Palgrave Ma…
大谷能生による『平岡正明論』が、ele-king booksより5月30日に刊行された。大谷能生にとっては『ジャズと自由は手をとって(地獄に)行く』以来の、5年ぶりの単著になる。同書は、ジャズのみならず政治思想、第三世…
0、導入 今回取り上げる「深田晃司」で、連載「新時代の映像作家たち」が取り扱う作家は4人目になる。必ずしも明確な規定があるわけではないが、ここまで主に1980年以降生まれの日本の映像作家を取り扱ってきた。今回は少し趣旨…