2015年ベストアルバムの一枚 SUMAC『The Deal』レビュー
ISIS(the band)解散以後のヘヴィロック・シーンには、ISISの絶大な影響力のあまり、大きな穴が開いたように思う。ISIS以後美麗な音響のレイヤーを重ねたサウンド、いわゆるアトモフェリック なヘヴィロックの形…
ISIS(the band)解散以後のヘヴィロック・シーンには、ISISの絶大な影響力のあまり、大きな穴が開いたように思う。ISIS以後美麗な音響のレイヤーを重ねたサウンド、いわゆるアトモフェリック なヘヴィロックの形…
「オタク」という言葉の起源として現在も参照され続ける言説がある。『漫画ブリッコ』(1983年6月号)に掲載された、中森明夫によるコラム「『おたく』の研究① 街には『おたく』がいっぱい」である。 1975年より開催され…
5時間17分の長さを誇る『ハッピーアワー』は、そのタイトルを裏切ることなく、まさしく幸福にみなぎった時間を提供してくれた。鑑賞前の緊張と不安から、劇場を出た時の外気の寒さや体内の熱気までが、鑑賞中の興奮を外側から包み込ん…
「次はインターネットですよ」 範宙遊泳の山本卓卓はそのようにインタビューで応えている。山本は今までもプロジェクターを使って存在しないものを描き出していた。その彼がインターネットを題材にどのようなものを描くのだろう。妄想を…
そこは良家に住む令嬢の部屋だった。その部屋で一番目を引くのは、中央の客席側に置かれたテーブルの上に、チェス盤が据えられていることだろう。その部屋の住人クラウディア(川田智美)は物憂げだ。彼女は探偵。人の心が見えすぎる。…
練習に来た学生たちの楽器を弾きならす音がとぐろを巻く学生会館地下1階の廊下を通り抜け、さらに深く折り返し階段を下った先を右に曲がったところに受付けはあった。最初はそれが受付けだとは気付かなかった、というのもポスターや看…
現在、早稲田大学演劇博物館で開催中の企画展示「Who Dance ? 振付のアクチュアリティ」(2016年1月31日まで開催)の関連イベントであるロジェ・ベルナットによる演出・振り付けの『春の祭典』に参加した。『春の祭…
範宙遊泳の新作『われらの血がしょうたい』は桜木町駅近くにある横浜にぎわい座の地下2階にある、のげシャーレという小ホールで上演された。地下2階へは2機のエレベーターでのみ移動でき、階段では移動できない。1階から下へは地下…
※『ヱクリヲvol.1』に『今を彩って生きる―「Free!」、終わらない物語―』という論考を掲載していて、それとこの文章は繋がるので、興味があればぜひ読んでみてください。 ――今年もまた、夏…
ある作品が「面白かった/面白くなかった」と言われる時、そこにはおそらく、いくばくかの割合でその作品が「わかった/わからなかった」ということが含意されている。では、「わかった/わからなかった」とは、何をもって言われるのか。…