幸福な時間の成分

5時間17分の長さを誇る『ハッピーアワー』は、そのタイトルを裏切ることなく、まさしく幸福にみなぎった時間を提供してくれた。鑑賞前の緊張と不安から、劇場を出た時の外気の寒さや体内の熱気までが、鑑賞中の興奮を外側から包み込ん…

【クロスレビュー】観賞する僕は(不)自由を求める――ロジェ・ベルナットの『春の祭典』(2015年12月12日於早稲田大学坪内逍遥記念演劇博物館展示企画《Who Dance?》関連イベント)

 練習に来た学生たちの楽器を弾きならす音がとぐろを巻く学生会館地下1階の廊下を通り抜け、さらに深く折り返し階段を下った先を右に曲がったところに受付けはあった。最初はそれが受付けだとは気付かなかった、というのもポスターや看…